2011年10月30日日曜日

公共性


公共性とは、公共の持つ性質のこと。論者によって様々な分類がされている。
例えば、斉藤純一『公共性』(岩波書店)は、公共性をofficial, common, openの3つの意味に分けている。

official(公務員が行う活動が帯びるべき性質) [編集]

国家や地方自治体が法や政策などに基づいておこなう活動。
例:公共事業・公共投資・公的資金の投入・公教育・公安の維持。
 対比されるもの:私人の営利活動。

common(参加者、構成員が共有する利害が帯びる性質) [編集]

共通の利益(公共の福祉)の追求・共有財産(公共財)の維持管理・共有する規範(常識)の創出・共通の関心事(ニュース)などの伝播。
例:公益・公共の秩序・公共心・世間(せけん)。
 対比されるもの:私有権・私利私欲・私心。

open(公共的なものが担保しなくてはいけない性質) [編集]

誰もがアクセスすることを拒まれない空間や情報。
例:情報公開・公園等の公的空間。
 対比されるもの:秘密やプライヴァシー・私的空間。
この考え方は、山脇直司『公共哲学とは何か』(ちくま新書)での公共性の3つの意味(①一般の人々にかかわる② 公開の③政府や国の)とも共通する。
  • 日本ではあまり議論されないunofficial(民間レベルの公共的なもの)という概念も存在し、町内会・自治会・NPO・慈善団体・ボランティアサークルなどがその例に当たるが、上記の分類に従えばほぼcommonに該当すると考えられる。



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